内視鏡外科(腹腔鏡手術)
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手術はからだにメスをいれる・・・痛くてつらいイメージを誰もが持っています。手術を受けると大きな傷跡が残り、それが負い目となって、温泉旅行や海水浴、ファッションなども楽しめなかったりと、これまでは術後の人生をつまらないものにしてしまいがちでした。そんな考えを一新したのが内視鏡外科手術です。
1cmの内視鏡と3~5mmの細い手術器具を使って行う手術ですから、からだにはそれらの器具が入る小さな穴を数ヶ所あけるだけで済むのです。手術の傷が小さいので痛みも少なく、早期退院が可能で、患者様にとってメリットの大きな手術なのです。
開腹手術と内視鏡外科手術の違い
これまでの開腹手術
手術のあとがのこってしまう
痛みが激しい
腸の癒着が起こりやすい
長期入院で経済的負担が大きい
新しい内視鏡外科手術
手術あとが小さく目立たない
痛みがすくない
腸の癒着が起こりにくい
早期退院が可能で経済的
手術法
内視鏡外科手術は腹腔(おなかの中)、胸腔(むねの中)などに小さな穴(3mm~10mm)を数ヶ所あけ、そこから内視鏡と細い手術器具(鉗子)をいれて、テレビモニターを見ながら行います。
将来はこれまでの開腹手術の半分以上が、内視鏡外科手術に置き換わると予想されています。
腹腔内の病気を治療することが多いため、腹腔鏡下手術(おなかの中を見る内視鏡)とも呼ばれています。
手術後の経過
開腹手術では、15cm~20cmの傷がおなかに残るだけでなく、場合により腹筋も切除することもあるため、術後2週間から3週間の入院になりますが、内視鏡外科手術はおなかの表面に小さい切開が数ヶ所入るのみなので、当然傷の痛みも少なく、早期退院や早期社会復帰が可能になります。
実際の手術の様子
全身麻酔下で臍(へそ)下部から10mmのトロッカー(筒状の外套)を挿入、炭酸ガスを注入しておなかを膨らませます。
このトロッカーから腹腔鏡を挿入。腹腔内を観察後、さらに径5mmのトロッカーを3本挿入します。この3本のポートから鉗子類を挿入して患部を切り取ります。切り取った患部は臍下部のトロッカーから摘出します。
腹腔内はモニター画面に映し出され、それを見ながら内視鏡外科医は手術を行います。
トロッカーという、鉗子などを体内に挿入するための通路の役割を果たす直径5~10mm の器具を小さな切開部から挿入する時、当センターでは超音波トロッカーを用いております。超音波トロッカーは先端より超音波が発信されるため、腹部に挿入しやすく、止血作用が高いです。そのトロッカーから、腹腔鏡および鉗子類を挿入して手術をおこなうのです。
トロッカーから挿入する超音波切開装置や鉗子類の数々。これらの器具の進歩により、適応疾患が飛躍的に拡大されました。太いものは直径10mm、細いものは直径3mmです。